当事務所は毎月顧問料をいただいている個人事業のお客様の場合は、法人のお客様と同様に期中に記帳内容が正しいことのチェックを行い、問題点があれば期中に解決して月次試算表を作成し、経営内容をお客様に理解していただいておりますので、余裕をもって決算に臨んでおります。
多くの会計事務所はふだんは年末調整のときにお客様を訪問する程度で、翌年になってから一年分を纏めて処理します。だから大晦日よりも忙しい日々となります。
一方、2月になって街に確定申告のポスターが貼ってあるのを見てから慌てて会計事務所に決算・申告を依頼されるのんびりした経営者もいらっしゃいます。日銭の商売ですと一年分の帳簿や領収書、預金通帳などのチェックを短期間にして入力するのですから大変です。ですからノーサンキューと断る会計事務所もあります。
しかし私は経営や税務で困っている人を助けるのが会計事務所の使命だと思っていますから断りません。
今年、よその事務所で断られた方がいらっしゃいました。「平成15年からは毎月帳簿をつけてください。それを私どもがキチンとチェックして正しい試算表を提供します。そうすれば今、売上はいくらで荒利はいくらで経費はいくらで利益がいくらある。この調子で行くと今年の利益はいくらになると年内にわかるから迅速に対策を講ずることも出来、事業がもっと儲かるようになるし、銀行からの借入もスムースにゆきます。事業経営とはこのようにするものです。帳簿を溜めずにつけていただけますね。それならお引受けします」といって引受けました。
大変な苦労でともかく決算書が完成しました。赤字でした。残念です。もし期中から当事務所がみていれば赤字にならなかったかもしれない。店をもっと綺麗に出来たかもしれないし、お客様サービスももっと出来たかもしれない。そして黒字になったかもしれない。
お客様へお願いします。もし、ことし新しく事業を始めた方をご存知でしたら早めに紹介してください。
開業した時から正しい帳簿のつけ方を説明し、毎月、月次試算表を提供してお客様が自分の事業の状況を正しく掴むことが出来るようにさせていただきたいのです。できれば青色申告の赤字の3年間の繰越控除を活用できる開業後2か月以内にです。
景気が回復する兆しはまだ見えません。しかし打つ手は無限です。人事を尽くして天命を待つというではありませんか。大晦日には、不景気の中よく頑張ったなあと自分を褒めてあげたい気持ちになるよう、今年もベストを尽くしたいものですね。